OXFORD
今までは、ハリーポッターの旅というより、ヘンリー八世の旅、という感じだったが、ついに来ました OXFORD。
まずは図書館に使われていたボドリアン・ライブラリ。
Divinity Schoolガイドツアーの時間が合わず、入り口をチラと覗いただけだが、妙に 1 作目の医務室に似ているなぁ~、と思ったら、そこがなんと「Divinity School」で、やっぱりそうだった。
あとは併設ショップを物色。おおおっ「ナルニア」の絵葉書があるではないか。「アリス」も、関連品が色々ある。絵葉書やゲームなどは、渋い絵柄の品が多い。この辺の品揃えは、クライストチャーチとは好対照。
ラドクリフカメラは一般人は入場出来ず、残念。「ケチ」とか言いながら、外からモノ欲しそうに眺める。
昼食をオックスフォードのデリで仕入れる。やはりゴハン類を購入する相棒。保険用のサンドイッチも買うようになったとはいえ、日本人の鏡だぜ。
学生街なんだから、食べられる場所には不自由しないはず、と読んでの行動だったが、これが意外と見つからぬ。冷静に考えれば、当然なのだが、気付くのが遅すぎた。
地図に植物園を発見し、そこを食堂にすべく向かう。これが「アタリ」で、ピクニック気分で、ランチが出来、ホクホク。
今回のお米料理も、結局はサラダだったが、さすがに東洋人が多いせいか、味付けが巧く、英国で唯一「美味しい」といえるお米サラダだったらしい。そのせいか、今回はサンドイッチが余る、という快挙? を成し遂げる。
食後はの~んびり花々を愛でる。いやぁ、なかなかの青空食堂だ。さすがに植物園だけあって、珍しい草花が多く、フラワーデザイナーの相棒は、散歩がてら、入念にチェック。
手入れはもちろん行き届いているが、薔薇はここでも香りが乏しく、残念。でも、とても綺麗に咲いていた。塀の外にはクライストチャーチや、マートン校の校舎が見えていて、いやがうえにも期待が高まる。
近道近道、と教わった通りを行くが、やけに路が汚い。MERTON校紙吹雪やらクラッカーの残骸がそこらじゅうに散らばって、まるで飲み屋街の朝。
そういえばヤケにマント姿のワカモノが多かった。この惨状は、卒業パーティーの、どんちゃん騒ぎの成れの果てか。
浩宮殿下が卒業されたマートン校が、丁度一般に開放されていたので、庭など覗き、クライストチャーチ校に向かう。が、入口だと思った処は出口で、なんのことはないマートン校の横手が通路。ちゃんと看板もあった。どおりで沢山の人が出入してる訳だ。
校庭から建物を眺めつつ、入口へと向かう。
Christ Church
クライストチャーチは名前が示すとおり、元々教会。
7 世紀頃に建てられ、修道院、大学、と容を変えて来た。
この教会自体も、修道院付属教会として建てられ、大学付属礼拝堂から、現在は OXFORD 区の大聖堂。
聖堂内部もちろん現役なので、ミサも執り行われている。
礼拝の時間が書かれたパンフレットに「大聖堂の時間は、通常の時間より 5 分遅れです」とあるのが、面白い。
バーン・ジョーンズのステンドグラスもだが、繊細な装飾がそこここにあふれ、非常に美しい聖堂である。
ハリーポッターのロケ場所
ハリーポッターの最初の映画で、1 年生が初めて入場する場面は、大好きだ。
空に浮かぶ蝋燭や、松明の明り、空のような天井など。原作のイメージを損なうことなく、魅力的に現出する。
階段ホールお皿に食べ物が出るところなど、画面の中に入りたかったのは、私だけではなかったはずだ。
それにしても、なんたる量!ロンがまた美味しそうに食べてくれちゃって、ますます「私も混ぜろ~! 入れてくれ~」だった。
動く階段が出てくる場面も印象的だ。階段や絵が動くなど、いかにも「魔法ですよぉ~」という雰囲気が好い。
ハリーポッターは、ロード・オブ・ザ・リングとは違い、室内が多いが、印象の基調となる一方の雄が、ここクライストチャーチのグレートホール。
映画のグレートホールは、もちろんセットだが、グレートホールへの階段などは、実に巧みに使われている。回廊マクゴナガルが新入生を待って立っているシーン、2 作目、ロンとハリーが学校に到着し、フィルチに出会うシーン。過去のシーンで、若いダンブルドアがトム・リドルを諭すシーンなど。
ホグワーツのイメージを支える、もう一つの雄は、もちろん廊下。
実際には何箇所ものロケ地を組み合わせてあるが、巧みに繋がれ、観ていて違和感がないのが凄い。古い修道院なぞ、ゴマンとある国なれば、その辺は恵まれている。
廊下には、修道院の回廊を使っているが、回廊自体が昔は学校だったので、もちろんその辺も織り込んでのことなのだろう。ここの回廊が使われたのかどうかは判らないが、ホグワーツの雰囲気は、ここでも充分味わえる。
ロゥシャム・ガーデンを逃す
急げば ロゥシャム・ガーデンの閉園に間に合うはず、と車を飛ばし…たかったが、なんと渋滞にひっかかり、庭園に着いたのは 4 時半少し前。
気の早い管理人のオジサンは、すでに自転車に乗って、門まで来てる。
あまりに落胆の色濃いワレワレを見かね、外からでも少しは見えるから、と慰めてくれたが、入園は 4 時半締め切りでも、6 時まで開いているはず。
つまりは他に客がなく、帰りたかったのね。気持ちはわかるが、勤勉な日本人としては、時間まで持ち場に居て欲しかった。珍しく迷うことなく着いたのに、がっかり。
借景の庭も、角度が悪く、結局は建物を遠くから見ただけ。消化不良の感が否めず、この際、と ブレナムパレスに向かう。
ゲートに人影がなく、庭園に入場だけは出来たので、それだけでも儲けモノ。
とにかく、唖然とする広さを体験出来ただけでも、来た甲斐があったというものだ。
ここでも、モノ欲しそうに門の廻りをウロウロ。とギフトショップがまだ開いていたので、滑り込み、蜂蜜と水を買う。
どちらも正真正銘ここの産だ。ブレナム・パレスの水はホームページでも宣伝している。味は、特に印象に残るほどのものではなかったが、ここのラベルが、なんとなぁ~くアリガタイかも
勤勉な日本人
さて、ここからが、勤勉な日本人。全然「ついで」じゃないのに、まだ日が高いから、とバイブリーへと向かったのだ。
私の「箱庭みたいで、どうもね、云々」が、相棒の興味を惹き「やっぱり自分の目で見たい」と遠足。
途中、バフォードとの分岐で、ここも割に好きよ、と私が言うが早いか、相棒はきゅきゅキュンキュン、と方向転換。おのれはルパン三世か、と思いながら、ドアにしがみつく。
ま、こういう時、ラウンドアバウトは便利ではある。自分の腕に気を好くしたのか、見えてきた村が気に入ったのか、相棒はゴキゲンで坂を登る。
すでに店などは閉まっていたが、ウィンドウが可愛いので、結構楽しんだ。公共のトイレがきれいだったので、拝借する。
英国は概ね公共のトイレがきれいなのが嬉しい。一通り見て満足し、再び進路をバイブリーへ戻す
バイブリ―:Bibury
明るいとはいえ夜7 時だと、さすがに観光客もまばら。写真でよく紹介されているアーリントン・ロゥでは、カルガモの親子と鉢合わせした。なかなか愛嬌があって、いい。
道草好きな子は、あちこち首をつっこみ、なかなか進まず、ママにしょっちゅう追立てられてる。最後はママに代わって追立ててあげました。
さて、相棒のバイブリー感は、「古い映画で観たような、何度となく出会った風景を、記憶を頼りに再現したような村」というもの。
今回は、人がまるでいなかったので、静かで、動きが無く、絵の中に迷い込んだようだった。空が徐々に濃く重く降りてきて、このままここに閉じ込められそうな、そんな感じの夕暮れだった。「ここは来る時間がキモかもねぇ」と言いながら、ピクニック。
2 度と来られないと思った場所に、期せずして 3 度も舞い戻ってしまったが、縁とは面白いものである。
英国の田舎道は難しい
今日は念願のグロスターだ。英国の道にも慣れて来たし、と余裕で出発。
ここが、ツアーによくある「Burton-on-the-Water」などと、調子よく進んでいたら、途端に道を間違えた。迷うのは嫌だから、と幹線に戻るつもりが、もっと細い路に入り込み、後ろにあおられて、地図を確かめる余裕も、場所もなく、泣きそうな気分でひたすら前進。
村が出て来て、位置は判ったが、どのみち、野ッ原の中を行くしかないコッツウォルズの田舎道。選んだはずの路がまた違い、ドンドン違う方へ向かっている。いつかは、幹線にブチあたるから、ま、いいか、と最早「もう、どうにでもして」状態。
途中、村があり、その度に位置が確認できるのは、気分的に助かったが、目的地にたどり着ける保証にはならないのが、難。
今回はコッツウォルズの詳しい地図もあり、ウェールズの時とは違い、簡単だろう、という考えは、あっさり覆された。
常に 80 キロくらい出しているので、次は右折だと解っていても、急だと、危なくて曲がることが出来なかったり、標識にある地名 ( これが、突拍子も無いトコにあったりするのだ ) を地図で探すのに手間どって、見切り発車するしかなかったり、と考えてもいなかったような事態に直面し、解っていても、その道へ進めないことが多く、これには参った。
この後も何度となく往生し、信号がマジ、懐かしかった我々である。ラウンドアバウトは便利なのだが、ヘンに幾つも道があって、「右」「左」と単純にナビ出来ず、「左から二番目のちょっと細めの道」などと、意思疎通が難しく、お互いに緊張した。
双子のラウンドアバウトで、二つ目で、急に目標としてきた地名が、都市名「東京」から急に街の名前「原宿」のように変わったりすると、土地勘がないので、瞬時に判断できず、あわてた。
運転のしやすさとは別の次元で、ドライバー、ナビ共に大変な時が、多々あった。
幹線に出てしまえば、グロスターのような大都会へ行くのは、そっけないほど簡単で、さっきまでのあせりはどこへやら、「あんな道もいいねぇ」などと、相変らず現金な二人組。
以前タクシーを一日借り、コッツウォルズを案内してもらったが、当然ながら、迷うことなく、この手の道を、ひょいひょい、と手際よく、連れて廻ってくれたのだが、今こうして走ってみると、本当に無駄なく、かつ風景がよく見える道を、選んでくれていたことが解る。
時間に余裕があれば、こうして、特になにがあるという訳でもない道に迷い込むのは、非常に楽しい。
素敵な庭のある家や、薔薇がロマンチックにからまる家など、拾い物があちこちにあるので、豊かな気分になれる。
レンタカーの旅などでは、むしろこのほうが、得るものが多いかもしれない。総じてこの辺りは裕福な感じで、どこも、とても感じがいいので、そのせいもあるのだろうが、コッツウォルズという処はは、あてもなく走るのに向いている? 場所だ。