ヒースロー空港レンタカー返却さわぎ
レンタカー返却時に、ガソリンを満タンにすべく、スタンドを探す。が、皆目見当がつかず、あせる。今ならグーグルマップでこれは簡単だろうけど、ナビ役としては下調べ不足を大いに恥じました。
それをクリアし、ほっとしたのも束の間。空港には違いないのだが、レンタカーの返却場所が判らない。ううう。これも下調べしておくべきだったのは明白だよな~~Ooops!
そうだっ!昔、空港から連絡バスに乗った。そこへ行けば、聞けるはず、とターミナル 3 へ向かう。一般車は進入禁止なのか、警官に停められる。
これ幸いとハーツの場所を聞く。「トンネルを抜けて、コンコルドを右」え、トンネル?コンコルド?理解がついていかない。鸚鵡返しに聞くと「そう。さぁ行って!」と追い払われる。
悩みながら走りかけた時、ハーツの車が来た!メモを持ち、ドライバーに聞きに走る。地図を描いてもらったら、やっぱりトンネルがある。右折も正しいようなので、ほっとして発車。
確かにすぐトンネルだ。そして、出た処には、コンコルドがあった。ううぅむ。そういえば何度も見てるな、この姿。そして、あった。ハーツだ。返却自体は拍子抜けするほど簡単で、ぱっ、と終わり、レシートのような紙切れを渡されただけ。
気になったので、カウンターで確認したが、これでちゃんと返却作業は完了しているらしい。ハーツからは、バンで各ターミナルまで送ってくれるので、後の心配はない。
いやはや、上手くいったのか失敗だったののか、ワカランながらも無事クリアできて、ほっとする。
よく話題になるガソリンのオプションだが、Fuel Parchase Option の代金は 95.4 ポンドで約 2 万円。自分で入れたガソリン代は 5 千円弱。我々はさほど走ってないので、特にお得感が強かったが、ヒースロー返却だと、ガソリンスタンドを探す手間と迷子の可能性を考えると、損得は難しいところ。
普通のところなら、自分で入れたほうが、やはり安いような気がする。
スコットランドの宿タウンハウスChannings
初めてのスコットランド上陸。
エジンバラに着いた時はピーカン晴れだったのに、タクシーを待っている間に、ざんざん降りになり、タクシーを降りた頃には、再び晴れ上がっていた。
ニュージーランドを思い出すなぁ。スコットランドの建物は、石の色がグレーで大きく、かなり重厚な感じがする。空の色もグレー。北国に来たんだ~という実感を持った。
エジンバラでのホテルはタウンハスウス・ホテルの Channings。程よい加減の装飾が気持ち良い。田舎風にまとめてはいるが、インテリアは都会的で洗練されている。好みのタイプだ。
部屋は地下だが、庭を巧く掘り下げて造ってあり、窓からは庭が見える。そのせいもあって、地下という感じがまるでない。
6 畳ほどもある浴室が、これまたお洒落。ジャグジー付きだし、今日は長湯、長湯とはしゃぐ。日本人よのぉ~。
ここはインターネットも使えるし、メールも出来たのだが、自前のアドレスが使えない仕様だったので、私は止めた。相棒は英語で OK な友人に送ったが、返信できなかったので、日本では大騒ぎになっていたらしく、帰ってから、みっちり絞られたそうな。
スコットランド人はコワそうだが超親切
街の中心まで歩いてみる。目指すはカレドニアン・ホテル。大雑把な地図だったので、日本国総領事館のある辺りで、迷う。
丁度歩いて来た人がいたので道を聞く。厳しい感じの紳士だったので、内心ビクつきながらのトライだったのだが、我々が「あの~」と声を掛けるや、顔面総崩れ。
満面の笑みを浮かべて、「なんですかぁ~」そのあまりの豹変ぶりに、呆然。
そんな我々を尻目に、地図をのぞき込み、「ドコへいきたいの?」「かっ、カレドニアン」と言うと、紳士はきゅっと眉をよせ、しばしの考察の末、メモにちょちょん、と印を書きいれてくれた。
我々がちゃんと理解したかどうかが心配なようで、言われた角を曲がるまで、じ=っと、お見送り。お辞儀して、手を振ると、またまた満面の笑みになり、ステッキをちょっ、とあげると、颯爽と消えていった。
「あの顔の落差」「うん、びっくりしたぁ~」「急にあそこまで変われるモノなの?」と、しばし盛り上がる。
途中、再び険しい表情になったので、マズイことでも聞いたのか、とびびっったのだが、真剣に、「どの道が一番迷わせないか」を考えてくれていたようで、悩むのも真剣なら、親切にするのにも真剣。笑うのにも真剣。
すごい人に遭っちゃったなぁ~、と思っていたのだが、これが結構多い。
ホテルのボーイやコンシェルジェ、その他モロモロ。黙々と厳しい顔つきでの仕事中でも、声を掛けるや、とんでもない笑顔が返って来て、虚をつかれる事が多かった。
もちろん、嬉しいんだけど。これってスコットランド気質?
カレドニアンホテルでお茶を ♥
カレドニアンホテルは20 世紀初頭の豪華な駅ホテル。
現在は廃駅に伴い、すでに駅ホテルではないのだが、ところどころに名残がみえる。かなり煤けてはいるが、ロシアから運んだというローズ・ピンクの砂岩や、バー店内円柱の装飾は優美。淡いピンクの建物は建築当時はグレーの空に映え、さぞ美しかったことでしょう。
カレドニアンホテルはアフタヌーンティでも有名だったので、それもあって一度は行きたかったホテル。ところが運悪くロビーは改装中で、落着かず、ちょっとがっくり。
お昼を食べてなかったので、その名もプラットフォームというバーで、とりあえずはお茶することに。
3 段重ねのアフタヌーンティは、サーモンのサンドイッチが美味しかったものの、まぁ、普通。それよりもお茶が薄~い!
ぶすっとした感じの給仕を呼んで「お茶薄いアル。かえるヨロシ」と、訴える。と、ぱっ、と顔がほころんで「もちろん!すぐにっ!」とすっ飛んでかえり、にこにこしながら濃く熱いお茶を運んできてくれた。
あいかわらず超~~~ニコニコしながら、「他になにか役にたてることはございますか?」と聞いてくれたので、「美味い寿司屋を知らんかね?」と、尋ねてみる。
すると、急に顔が曇り、深刻そうな風情で「このホテルにもございますが、ワタクシはあいにくとお寿司には不案内でご満足いただけますかどうか」と、いかにも申し訳なさそうに謝ってくれるので、急いで話題変更。
駅までの道を聞く。と、再びぱぁ=っと、顔が明るくなって、懇切丁寧に教えてくれた。
我々がきちんと理解したようだと納得すると、再び満面の笑みで「では、ごゆっくり」と、優雅に会釈して退場。
思わず顔を見合わせて、「スコットランドの人って、皆あんな感じなのかな?」「さっきの人が特別だったわけじゃなかったんだ!」「おもしろ~い」「スコットランド人、好きだなぁ」
人心地ついたので、ホテルの探検に向かう。
以前本で見たのは、鉄のシャープな照明で、クリーム色の内装だったのに、今は赤が主体で、階段ホールの柱が黒で、アクセントがよく効いている。照明もシャンデリアになっていた。
描いていたイメージとは随分違うが、この内装も、ちょっとエキゾチックでいい。あちこち見るうちにレストルームにたどりつく。おトイレおばさんを警戒しつつ、恐る恐るドアを開けると、そこは花なども飾られた、とてもトイレとは思えないような空間。
二人とも感心して、シャッターを押しまくる。ここからは中庭も眺められたが、中庭側の壁はあまり汚れがついてなかったので、本来の砂岩の色もかくや、のきれいなバラ色が印象的だった。
スコットランドで自前寿司
禁断症状で、目が据わりかけてる友のため、寿司屋を求めて街に出る。
ホテルでコンシェルジェにも聞いたのだが、その店の面構えが彼女のお気に召さず、自己調達に変更。
まずはエジンバラのハロッズこと JENNERS に突撃。わたしが紅茶やスナックを物色する間に、彼女はお酢とお醤油の品定めに没頭していた。
哀しそうな声で、「ワサビまであるのに、肝心のネタが無い」とボヤクことしきり。無いよりゃマシ、とスモークサーモンを購入し、横の MARKS & SPENCER に再突入。
MARKS & SPENCER 1階のデリにあった「sushi」を見るや「許せん」を連発する相棒。鉄火巻らしき品が、よぉ~っく見たら人参巻だったのだ。
怒りのあまり暴れだしかねない勢いである。「こんなモンが寿司だとぉ~、日本人なめとんかいっ」どうどうっ、とナダメながら、地下の食料品売り場に移る。
寿司のことになると、人格が豹変するからなぁ~困ったもんだ、とひとりごちながら、サラダパックなぞ求めてうろつく。
食料といえば、今回は牛乳の中から、ジャージィ牛乳が姿を消していた。ハロッズにも、どこにもなかった。海外で濃い牛乳を飲むのが楽しみだったので、ちょっとショック。
どこもかしこもローファット。もしくはノーマル。それもノーマルは少数派。この傾向は、もう変わらないのだろうか? 残念である
一通り店内探訪しおえ彼女を探すと、冷凍売り場で、なにやらじ~っと見つめている。冷凍食品に買えるものなんかあるのかなぁ、と近づくと、視線の先にあるのは「冷凍マグロ」
「?どしたの?」と聞くと、彼女の顔には不敵な笑みが…
「ここは文明国。無菌状態でパック詰めされてるはず」「ってことは、日本と同じ。近所のスーパーとおんなじ」「近所のマグロなら、寿司ネタだわ」
怒涛の三段論法で結論づけられ、哀れ、冷凍マグロは彼女の手のなかに。
横で見ていた私は、そのパワーに圧倒され、声もでない。恐るべし、その熱意。
冷凍マグロが程よく解ける為にも、もう少し歩いて良い、とのことで、案内所に向かう。冷凍マグロを入手した友は、別人のように機嫌がいい。
「ここは英国だしぃ、お寿司にくらくて当然よねっ」おい、さっきとエラク態度が違うじゃねぇか。不気味なほどだ( 一一)
スコットランドの天気と鉄道トラブル再び
案内所では明日に備え、使いやすい地図を探す。
バス停が載ってる絵地図を購入したが、これは、超便利だった。
彼女は英国全土の地図をお土産用に購入。
さて、と外に出ると豪雨である。そしてまた、5 分ほどで、晴れ上がった。
うう~ん。凄い天気。
次は駅で2日後に乗る切符のチェック。ユーロスターのことがあったので、キングスクロス駅で発券しておいたチケットだが、座席指定もしておくべし、と念には念をいれたのである。
その時にちらと見た「当日窓口」は、ここでもやっぱり混んでいた。
英国ではいつもそうなのか?やっぱり前もって来てみて良かった。
切符をみせ、席指定を頼む。と、果たして席がない。
「ホワイ?」
なにやら、ごにょごにょ弁解している。土曜日だから混んでいるとかなんとか。「混み具合はともかく、列車指定で発券が済んでいるのに、席がない理由を述べよ」と迫る。
と、しばしカチャカチャと端末を操作。今度は「良い席がありました」「?」釈然としないながらも、これで席もちゃんと印字されたので、一安心。
2 回利用して、2 回ともこの有様では、友人と同じく「英国鉄道に呪われてるんだ」という気にもなる。
部屋で寿司をつくった手順
ホテルに帰って、夕食の準備。
まずはお湯を沸かして、フリーズドライのお米を戻すし、お酢に砂糖を溶かして、お米に混ぜ、寿司米を作る。
マグロを切って、醤油をつければ、自前の握りの出来上がり。
ううむ。あっぱれである。
思わず横で祝福の舞を踊りそうになったぐらいだ。
本人もあまりに簡単に実現したので感動のあまりほうけている。
寿司が苦手な私は、ハムと野菜をはさんだ自作のピタパン。
冷蔵庫がないので、先に買ってしまったスモークサーモンのおすそ分け、とマグロの切り身を「お試し」用にもらう。
マグロは彼女の思惑通り、刺身そのものだったので、これは、結構いい手かもしれませんぜご同輩。下手な寿司やに行くより美味しい可能性大。
寿司御前 談 もー、ほんと、うまくてうまくて… ( 感涙 ) この出会いが
なかったら、途中で日本に帰ってました。 ( いや、まじで )